ヒューマングライコームプロジェクト:
生命のしくみの理解と医療の革新

本プロジェクトは、ヒトの”糖鎖“の膨大な情報を集め、生命科学と医療の飛躍的な発展のための基盤を整備するプロジェクトです。
具体的には、ヒトの身体に存在する“糖鎖”の形、病気と“糖鎖”の関係、“糖鎖”が作られる仕組み、これらの情報を網羅的に取得し、その情報を世界中の人が使えるナレッジベース*として構築します。
(*ナレッジベース:データと知識を蓄積させたもの)

また、本プロジェクトは、文部科学省の大規模学術フロンティア促進事業の支援を受けています(年次計画の概要

糖鎖ナレッジベース:
TOHSAの構築

「糖鎖」の全情報が
世界中の人が使えるように

  • ヒト糖鎖精密地図

    ヒトの身体に存在する
    糖鎖の形をすべて明らかに

  • ヒト疾患関連糖鎖カタログ

    病気と糖鎖の関係を明らかに

  • 糖鎖生合成アトラス

    身体の中で糖鎖が作られる
    しくみを明らかに

生命活動には、3つの生命の鎖(ゲノム、タンパク質、糖鎖)が必要です。しかし、第三の生命の鎖である“糖鎖”は、他の生命の鎖に比べて情報量が圧倒的に不足しています。
 これらの情報は、研究・医療分野に広く応用され、生命の仕組みの真の理解と革新的治療・予防法の開発へと活用されていきます。

新たな生命原理の基礎を確立する

これまで、生命は「セントラルドグマ」と呼ばれる原理に基づいて理解されてきました。これは、ゲノム(DNA)の配列をもとにRNAが作られ、RNAの配列をもとにタンパク質が作られるという仕組みです。
しかし実際には、すべての細胞の表面は糖鎖でおおわれており、多くのタンパク質には糖鎖が結合しています。このことから、生命活動はセントラルドグマだけでは理解しきれないことがわかってきました。
本プロジェクトでは、これまでの原理に糖鎖の情報を加えた「拡張セントラルドグマ」の基礎の確立を科学的な目標としています。これにより、生命の真の理解と医療の革新に貢献します。

3つの基盤を整備し、
糖鎖研究から新たな生命原理を見出す

本プロジェクトでは、拡張セントラルドグマの基礎の確立のために、3つの目標を立てています。

目標1は、糖鎖の情報を網羅的に集め、それらを集約したナレッジベース「TOHSA」を構築します。
目標2は、設備と技術の革新です。糖鎖の情報を集めるための革新的な技術を開発し、設備を整備します。
目標3は、連携基盤の構築です。国内外あるいは異分野とのネットワークを構築・運用し、TOHSAを活用して新たな知見や技術を創出します。

目標1情報基盤の確立

目標1:情報基盤

目標2技術・設備基盤の確立

目標2:技術・装備基盤

目標3連携基盤の確立

目標3:連携基盤

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